日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2026.06.12
新・山の上からこんにちはvol.666

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

今朝の天気は曇、気温11℃。(8:00時点)

※下記の情報は6月10日(水)時点のものです。

 

最近の奥日光は、青葉がしっかりと展開してきて、山肌が瑞々しい色合いになってきました。雰囲気も初夏になりつつありますが、梅雨入り後で天気が安定せず日中でもひんやりとしている日が続いています。お越しになる際は、羽織る物や雨具があると便利です。

 

今回は赤沼から出ている低公害バスに乗って、小田代原バス停から小田代原を時計回りに進み、途中小田代歩道に通って、赤沼に戻るルートで歩いてきました。

※地図上の水色の線が今回歩いたコースになります。

6月の奥日光と言えば千手ヶ浜のクリンソウが有名ですが、この時期の小田代原も花を楽しむハイキングにはオススメのコースになっています。

 

オススメの理由は、千手ヶ浜の賑やかな浜辺や森と違い、静かな森や湿原の中で小さな花々を間近で観察できるです。

この時期の小田代原は小さくて可愛らしい花々が続々と咲き始めるので楽しむチャンスです。

千手ヶ浜でクリンソウを楽しんだ帰りに途中下車して小さな花々を楽しむ欲張りコースで散策することも!

 

取材日の歩道沿いでも小さな白い泡玉のようなマイヅルソウ

 

白いボンボンのようなハルカラマツ

 

歩道脇からニョキと生えるニョイスミレ等小さな花々が歩道沿いを静かに彩っていました。控えめに咲く感じがいいですね♪

 

さて、そんな可愛らしい花々に混じってミステリアスな雰囲気を漂わせる不思議な見た目の植物がポコポコと生えていたんです。

それがこちら・・・

正体は花も葉も茎も全身が白く半透明なギンリョウソウと言う植物でした。

透き通った姿で木陰からひっそりと生える姿は妖精のようにも見えますが、半透明な色合いが幽霊のようにも見える不思議な雰囲気があります。

実はこのような色をしているのには理由があるんです。

 

理由は、この植物の栄養の取り方にあります。ギンリョウソウは他の植物のように光合成をせず、特定の樹木の根に付く菌類から養分を得ています。そのため、光合成に必要な葉緑体は持っておらず、透き通ったような見た目をしているんです。

 

変わった方法で養分を取る生き物は植物だけではありません。取材時には、ある生き物達が驚きの方法で養分を摂取していました。

その生き物達がこちら

蝶達です。木道のある一か所に多くの個体が群がってある物を吸っていました。何を吸っているのかよーく見てみると・・・どうやら乾いた動物の糞でした。

カラカラに乾いた糞から汁を吸い出すのは難しそうですがある驚きの技を使って汁を吸っているようです。

※動物の糞の写真が流れます。ご了承ください。

 

技とは、自分の体液を口から出して、体液でふやかした部分を吸うといった方法です。

花や樹液などに集まるイメージがありますが、実は動物の糞や小動物の死体にもよく集まります。

様々な花が咲いている中、なぜそこまでして糞や死体から汁の吸い出すのか?実は深いわけがあるんです。

 

 

繁殖をするのに必要な成分を摂取しているようです。糞に集まる蝶の多くは雄の個体と言われています。糞には花や樹液からは摂取するのが難しいナトリウムやアンモニアと言った成分が含まれています。

つまり、これらの成分を摂取する行動は、次の世代に子孫を残すための必要な行動だったのです。

 

生き物達の不思議な行動や見た目には生きるための秘密が沢山隠されています。綺麗な花々以外にもそこで生活する生き物達にも目を向けて、ハイキングを楽しんでみてください。(しゅんか)

 

なお、この時期は混雑により低公害バスの途中からの乗車が出来ない場合も多いです。ご利用の際はご注意ください。

下に低公害バスの時刻表を参考にご活用ください。