
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
今朝の天気は晴れ、気温は-6℃。(8:00時点)
※下記の情報は1月20日(火)時点のものです。
今回は往復4時間程かけて湯元温泉駐車場から刈込湖の方に行ってきました。
※こちらのコースを歩かれる際は、小峠から先は管理がされていない場所になるため入山は自己責任となりますのでご了承ください。また、スノーシュー等の道具に加え、余裕のある防寒対策や携帯食料等の十分な準備が忘れずにお願いします。

積雪量はコース上では60㎝程、刈込湖周辺では90㎝程あり、スノーシュー等雪上を歩く装備が必要です。
※地図上の黄色の線が今回歩いたコースになります

このコースは途中の小峠まではスノーシューコースとして整備されていて、水色のリボンが幹や枝先にかけられていますが、小峠から刈込湖にかけては夏の遊歩道に雪が積もり歩けなくなるため、急登や谷地形のような管理されていない場所を歩いていきます。

地形から毎年小規模な雪崩が起こる場所が見られたり、谷地形の中には巨大や岩や倒木が多くあり、その上に雪が積もるので踏み抜き等の危険があります。

また、雪は踏み固められていて、急登や滑りやすい場所もあるため、スノーシューの刃を上手く使って登る必要があります。
そんな急登や足元に気を付けながら進んでいると道中の雪の上のあちこちにおかかのふりかけのような物が掛けられているのに気が付きました。


おかかふりかけの正体は…樹皮や針葉樹の松ぼっくりでした。
大きさも形も様々な物が白い雪の上に沢山落ちていたのでご飯に振りかけられたふりかけのように見えたみたいです。
色々な物が落ちているのには理由があります。
理由と言うのは、このコースは地形のバリエーションがあるために様々な樹木が生えていること、冬場特有の強い風が吹くことで、雪上に大小様々色々な物が落ちているんです。
また、土の上では同化して見落としてしまいそうな物も白い雪が沢山積もるので目につきやすくなります。
雪の上にはふりかけに混じって鮮やかな緑色のアスパラガスが落ちていました!

アスパラガスのように見えたのはサルが枝の皮を食べた跡でした。
外側の茶色い樹皮とその下にある緑色の形成層(成長するのに必要な活発に細胞分裂が行われる部位)と呼ばれる部分を食べているようです。
形成層の色は、樹木の種類によって違い、またその皮の剥けやすさも異なります。今回見ることが出来た枝は、樹皮の下の形成層の色が緑色で、層が剥がしにくかったため、形成層ごと剥かれた白い部分と所々に緑色の形成層が残り、アスパラガスのような見た目の食べ跡になったと考えられます。
この瑞々しいアスパラガスのような食べ跡が見られるのはこの時期だけなんです。
理由は、サルが枝を食べるのは餌の乏しくなる冬場だけなんです。さらに痕跡は長く残りますが、徐々に乾燥したり、枯れることで緑色ではなくなってしまいます。なので、瑞々しいアスパラのような状態が見られるのはこの時期のみなので是非探して見てください。

冬の自然を楽しみながら険しい雪道を進んで行くとゴールの刈込湖に到着!
湖は全面的に凍っていて、周囲の山々も雪で覆われていました。針葉樹の黒味の強い葉に白い雪が合わさって水墨画のようで、とても綺麗な景色が広がっていました。
※刈込湖や途中にある蓼ノ湖は氷の上に乗ると割れて落水する危険があります。湖の中には立ち入らないようお願いします。
真っ白な雪が沢山積もり、景色だけでも十分に堪能できる場所ですが、目線を落としてみると冬特有の自然や寒い中でも懸命に生きる生き物達の痕跡を見つけることが出来るかもしれません。是非、色々な所に目を向けて、冬の散策を楽しんでみてください。(しゅんか)
※動画を追加しました
↓お知らせ↓
日光自然博物館では、今回歩いた冬の刈込湖に行くツアーを2/8に開催予定です。
他にも初心者向けのスノーシューを履いて雪の森で雪遊びや自然観察を楽しむイベントや冬を楽しむイベントが盛りだくさんです。
詳しくは日光自然博物館こちらをご覧ください。