日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

    2026.03.20
    新・山の上からこんにちはvol.654

    奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、

    カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

     

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    今朝の天気はくもり、気温は1℃です。今回は東武バスの光徳入口バス停から光徳沼までの徒歩40分程の道のりを歩いてきました。

    光徳沼の周辺には10cmほど雪が積もっていましたが、逆川沿いの森の中はほとんど雪が解けていて、春らしさを感じる賑やかな野鳥の声に包まれていました。(今回は鳥の写真を撮影する事が出来ず、イメージとして過去写真を使用しています。)

    まず気になったのは、逆川の対岸から聞こえて来るタカやワシなどの猛禽類に似た鳴き声です。その声はよく聞いていると、2羽、3羽、4羽と複数羽いるようなんです。普段単独でいる事の多い猛禽類が複数羽でいることに違和感を覚えていると、声の主が藪の中から飛び立ちました。

    正体は猛禽類では無く、全長30cm程のカケスという鳥でした。

    カケスは鳴き真似が得意な鳥で、そのテクニックにまんまと騙されるところでした。

     

    そんなカケスは冬の間、平地へ移動していく個体も多いので、冬の間奥日光で見る機会は減ってしまいます。今回は騙されかけて悔しい反面、久々に出会ったカケスの群れの賑やかさからは、春らしさを感じることが出来ました。

     

    カケスの他にも、森の中ではシジュウカラの仲間が求愛の為に活発にさえずっていて、森を一層賑やかにしていました。中でもコガラは羽をパタパタさせたり、さえずりとも違う繊細な声を出してメスに近づいたりと、必死にアピールしている様子が見られました。

    『コガラ』

    来たる春に向けて、繁殖の相手を探す忙しそうでした。そんな野鳥たちのこれからに役立つ、とある動物の落とし物を見つけました。

     

    シカから抜け落ちた毛です。厳しい冬を乗り越えたシカたちは、冬のくすんだ茶色の毛から、明るい茶色に白い水玉柄の鹿の子模様と呼ばれる夏の毛へと、生え変わりが始まったようです。

    さて、このシカの毛がどのように役立つのか。実は、野鳥たちが巣作りをする時にシカの毛は、巣の中をふかふかにするための、うってつけの材料になるんです。

    『シカの毛を運ぶビンズイ』

    その為、春先にはシカの毛を運ぶ小鳥の姿をたまに見かけます。

     

    多種多様な生き物が生息する奥日光では、このような生き物同士の関わり合いがたくさんあります。

    ぜひ、これからの移ろう季節の中に、生き物たちの変化、そしてつながりを探してみてください。(鈴)